湖北「伊吹山(山スキー)」
space
space
120212_1
space
space
三合目から見上げる
space
space
120212_2
space
space
六合目付近を登る
space
space
120212_3
space
space
伊吹山頂上
space
space
space
 今まで何度か伊吹山へと山スキーに行ったが、いい雪質には出合ったことがなかった。しかし今日は頂上から五合目くらいまでは、パウダーとは言えないまでもたっぷりの新雪があり、伊吹山で初めて山スキー日和に恵まれた。
 登山口からよく踏まれたトレースがあった。スノーシューやワカンの登山者、スノーシューを履きボードを背負って登るボーダー、シールで登る山スキーヤーが前後して登って行く。五合目までは濃いガスに包まれ、三合目ではまったくどこを歩いているのか分からないような状態。しかし五合目を過ぎると次第にガスの切れ目から青空が覗き始め、頭上にはひとすじのシュプールもない大斜面が広がった。柔らかで純白無垢の広がりを見ると心がはやるが、見上げる急斜面に一人で滑る不安な気持ちもかぶさってくる。
 七合目あたりから傾斜とともに風も強まってきた。急斜面にシールはスリップするようになり風で体もふらつくので、シールでの登高は諦めてザックにスキーを付けてツボ足で登った。潜るのではと心配したがツボ足の方が快適。急斜面を抜けた九合目から再びスキーをはいて緩やかな広がりを頂上まで登った。しかし頂上は風が強くてゆっくりとする余裕もなく、すぐに滑降準備をして折り返した。
 さあ、この急斜面をカッコよく滑りたいところだが、いつまでたってもスキーが上手くならない悲しさ。真ん中の急斜面をはずし、登ってくる登山者や向こうを滑る単独のテレマーカーの眼を気にしつつ滑って行く。それでも風を切るこの爽快感、この楽しさは何だろうか。山スキーはしんどいし上手くならないし、もうやめようと思いつつずるずると続けてきたのは、無限の力を秘めたスキーという道具の素晴らしさを知ったことであろう。その力を知っても使いこなせない自分が悔しいが、この年になればもうそんなことは考えないようにしよう。これだけ楽しさを味わえればいいでしょう。
 六合目付近からは雪もぐんと重くなり、ままならないスキーに苦しみながらも登山口まで滑り終えた。ああ面白かった。それでいいのだ。(草川 記)

・日 程=2月12日
・コース=上野登山口〜伊吹山(往復)
・参加者=草川啓三
space

space
space
「個人山行」のページへ戻る
space
space
space
contents
space
to_top
space