土佐「篠山・妹背山・今ノ山」
space
space
091023_1
space
space
篠山(篠川上流から)
space
space
091023_10091023_3
space
space
左=篠山登山口(第一駐車場)  右=山頂北側の樹林
space
space
091023_4091023_7
space
space
左=妹背山へは照葉樹林の中を登る  右=山伏神社の御神木=スダジイ(宿毛市指定天然記念物)
space
space
091023_5091023_6
space
space
左=三浦家一族の墓にある記念碑  右=墓地から弘瀬へ下る石段
space
space
091023_8
space
space
妹背山山頂から姫島を望む(右に鵜来島が微かに見える)
space
space
091023_11
space
space
妹背山の登山コース
space
space
091023_9
space
space
今ノ山の一等三角点
space
space
space
 近鉄バス「しまんとブルーライナー」を利用して、遠くてなかなか行けなかった西土佐の山を登ってきた。京都を21時に出発して、大阪梅田まで2時間近くあちこち停車したのはウンザリしたが、目が覚めた7時30分には宿毛へ着いていた。地図を思い浮かべ、あの位置に立っていると思うと不思議な感覚だった。夜行バスは本当にありがたい。

篠山 1065m 10月23日(金)快晴無風
 宿毛駅でレンタカーを借りた。駅前でタクシーの運転手さんに道順を教えてもらったのだが、松田川沿いの県道4号から分かれると恐ろしく細い自動車教習所のS字カーブのような道が続いた。道路の上は杉の葉が落ちていて、車はあまり通ってなさそうだった。篠山スカイラインといって、篠山の登山口はかなり上にある。登山口の広い駐車場に着いた時はホッとした。
 登山口から高度差300mほどで山頂だ。途中に観世音寺跡や山頂には篠山神社があるので、登山道は参道のようであった。観世音寺跡を過ぎると鹿除けの網がめぐらされていた。しばらく登ると、四方に枝を伸ばす大きく美しい杉が現れる。ツツジやシャクナゲの木も目立ってきた。篠山のアケボノツツジは淡い紅色で美しいらしい。花の咲く頃にまた来てみたいと思った。沖縄のシーサーのような狛犬がある階段を登ると篠山神社に着いた。ほんの少し登った所が、二等三角点のある見晴しのよい山頂であった。周辺は紅葉が美しく、眺望を満喫した。ここに土佐藩と宇和島藩の国境争いの決着で建てられた石碑がある。明治6年に建立というと、担いで登ったのだろう。歴史を感じる字体だった。
 下山は北方の稜線から篠山の東をトラバースしている道を行こうとしたが、分からなかった。後で聞くとけっこう下るらしい。次の予定があるので時間の余裕がなく、元の道を引き返した。ほんの少し歩いただけだが、北方稜線の林はとても美しかった。
 またあの車道を走るのかと不安だったが、車のナビは一本松町方面の道をガイドした。この道こそスカイラインの名にふさわしい走り易い道だった。明日は沖ノ島の妹背山に登る。母島港の民宿を予約していたので、14時30分発の定期船に乗るため宿毛湾の片島港に向かった。港から沖ノ島・鵜来島を巡る定期船が日に2便出ている。母島まで50分の乗船である。デッキで心地よい風を受けながら、遠ざかる四国、近づく沖ノ島や周辺の島々を飽きることなく眺めていた。
・コースタイム=宿毛(8:50)→県道篠山公園線第一駐車場(9:50〜10:10)〜観世音寺跡(10:30〜10:35)〜
        篠山(11:00〜11:40)〜第一駐車場(12:25〜12:40)→宿毛・片島(13:35〜14:30)…
        沖ノ島母島(15:25)

妹背山 404m 10月24日(土)雨のち曇り
 周囲20km足らずの島に、母島(もしま)と弘瀬の二つの港がある。沖ノ島も土佐藩と伊予藩で国境争いがあったそうだ。島民の生活は厳しく制限され、婚姻さえ禁止されていたらしい。両集落は急斜面に家が建ち並び、石垣や石段がとても美しかった。
 朝から雨が降っていた。少しのんびりしすぎて、民宿を出たのは朝の定期船が着いた後だった。石垣の集落と眼下の港が美しく、何度も足を止めて眺めた。登山口は、集落を抜けて一番の高台にある沖ノ島小中学校の裏手であった。この頃、天気は回復してきた。初っ端から鬱蒼とした林になり、藪椿の花が咲いていてホッとする。しばらく行くと山伏神社という小さな祠とスダジイの巨木があった。島の樹木はほとんど細く密集していて、巨木はこれだけであった。緩やかな登りが続き、拍子抜けした感じで一等三角点のある山頂に着いた。登山口から1時間だった。山頂は広く切り開かれているが、樹木が邪魔をして見晴しは悪い。大きな見晴台があり、ここから眺望を楽しんだ。休憩しようとしたところに、車が2台入って来たのには驚いた。明日催されるマラソン&ウオーク大会「沖の島アドベンチャーラン」の準備のため、机や椅子を置いていった。どうぞ使ってと言われたので、利用させてもらった。1日違ったら、のんびり歩いていられなかっただろう。今日でよかったと思った。
 下山は弘瀬に向かった。途中、仏が丘といってお地蔵様が120体並んでいるところや、三浦家一族の墓がある。この墓石が変わっていて、周辺が苔むして神秘な雰囲気が漂っていた。弘瀬までの道は石段もあり参道のようであった。楽勝の縦走のはずが、終わり間際になって石が濡れて滑り易く、緊張しながら弘瀬に着いた。弘瀬から海岸沿いの車道を歩いて母島に戻った。七ツ洞や白岩岬辺りの海岸が、とても美しかった。集落や山中はツワブキが多く咲いていたが、海岸沿いはハイビスカスの花が咲いていた。日吉神社に参拝して、民宿に戻ったのは14時30分だった。港には明日の大会のためか、大漁旗が飾られていた。15時20分の定期連絡船に乗り、弘瀬港・鵜来島を経由して16時55分に片島港に着いた。小雨の降るデッキに出て、遠く離れて行く沖ノ島を、往路と違った思いで見送った。今夜は川村さんの故郷、大月町古満目の民宿にお世話になる。宿毛から車で40分、小さな漁港に到着した。本場の「たたき」はやっぱり違った。刺身と煮付けも、とても美味だった。満腹。
・コースタイム=母島(8:50)〜沖ノ島小中学校(9:15)〜山伏神社(10:15)〜妹背山(10:35〜11:25)〜仏ヶ丘(11:45)〜
        三浦家一族の墓(12:00)〜弘瀬(12:45〜13:00)〜白岩岬入口(13:55)〜母島(14:30〜15:25)…
        弘瀬(15:40)…鵜来島(16:10)…片島(16:55)→小満目(17:45)

今ノ山 870m 10月25日(日)晴れのち雨
 早朝漁港に行って、水揚げやセリの様子を見学した。地元の人は「魚は今日獲れたものしか食べない」とか。羨ましい。こんな美味しい魚だったら、毎日だって食べられる。
 正月2日に民宿前の春日神社で「水あびせ」と言って、火事の無いことを祈願して青年が海水をかけられる奇祭があるそうだ。そういえばテレビで見た記憶があった。
 川村さん自慢の故郷を案内してもらった。大堂海岸の断崖が見える大堂山展望台と観音岩。時間があれば遊歩道をのんびり歩きたかったが、今回は車で移動した。太平洋の荒波が激しくぶつかる絶景は本当に美しかった。四国と橋で結ばれた柏島、その向こうに沖ノ島や鵜来島の眺めがとても美しかった。海岸美を堪能して三原村から今ノ山へ向かった。
 車のナビに三原村役場と入力すると、ガイドされたのは伊予野川沿いの細く曲がりくねった道だった。緊張の連続で、立派な広域林道に出たときはホッとした。今ノ山は雲に覆われて、とうとう雨が降り出した。今ノ山にはレーダー施設があり、山頂まで車道が延びているのだが、ゲートで閉じられている。ゲートから50mほど下ったところに遊歩道入口がある。荒れているのが一目で分かった。案内板を見ると、遊歩道はすぐに車道を横切っている。入山は遊歩道入口から歩き、下山に車道をゲートまで歩いた。車道からの遊歩道は、よく踏まれていた。沢沿いの道は、中ほどで尾根上となる。雨で鬱蒼としていたが、とても美しい林だった。ウーンと唸りをあげる白い建物は、網で囲まれ近づくこともできなかった。遊歩道というから休息場所くらいあるだろうと思ったが、何もなかった。一等三角点で、傘を差して立ったまま、買出ししてきた弁当を食べた。「大月道の駅」で買った鯖寿司とコンブで巻いたおにぎりは、とても美味しかった。眺望は全くなかった。
 ナビに宿毛駅と入力すると国道21号線をガイドした。この道こそ車道であった。宿毛駅でレンタカーを返却後、大島の国民宿舎「椰子」でお風呂と食事をとり、20時30分発の高知西南交通バス「しまんとブルーライナー」に乗車した。
・コースタイム=小満目(9:00)→大堂海岸・観音岩(10:20)→今ノ山風景林遊歩道入口(12:00〜12:20)〜
        今ノ山(13:15〜13:40)〜管理道ゲート(14:15)→宿毛(15:10)(田代 記)
・参加者=田代妙子・佐藤由子・川村千枝・荒川聖一・竹内康之
space
|関連ページ(伊予・土佐の国界)|
space
space

space
space
「個人山行」のページへ戻る
space
space
space
contents
space
to_top
space