鈴鹿「御在所岳の災害復旧支援・裏登山道修復ボランティア」
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日向小屋で
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左=土手づくり  右=ボランティアの人たち
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左=藤内小屋  右=「ウサギの耳」
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藤内壁付近の状況
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 9月2日に、鈴鹿「御在所岳」の裏登山道が大雨の土石流による被害を受けました。頂上直下から土石流が始り、谷を削り、木々をなぎ倒し、鈴鹿スカイライン手前の堤防が満杯になるころ、ようやくその流れが止まりました。 ボランティアが集まり、9月28日にいちおう裏登山道は復旧しました。以下、9月30日現在の顛末を記します。

 9月5日時点で、インターネットを駆使して知り得た情報では裏登山道の80%が土砂で壊滅的被害を受け、日向小屋は敷地の土地の45%が土砂で削られ、あわや崩壊寸前。藤内小屋は直径2〜3mの大石が幾重にも激突し、新館は崩壊状態。本館は歪んで土砂が入り込み、他の建物も基礎が崩されて倒壊状態でした。大変な状態と思い京都府山岳連盟にも情報確認するよう要請しました。
 いったんは、もはや山小屋は閉館かと危ぶまれ心配しました。それほど酷い状況でした。しかしその後、両小屋とも何年かかろうと再建に着手するという情報がきました。また、9月最初の連休から近県の山岳連盟が登山道再建に着手しました。藤内小屋をよく利用していた自衛隊レンジャー部隊も週末には応援に出動しました。日向小屋は建物自体は大丈夫だったので、再び台風などで土砂崩れが起きても倒壊しないように急きょ清水寺の舞台のような足場が組まれました。基礎の完全修復工事はまだまだかかることでしょう。大量の大岩石に襲われた藤内小屋周辺にも何十人ものボランティアが集まり、登山道修復や山小屋周囲の流木や大岩石を除去し始めました。
 こうした中で、地理的に離れた京都岳連にもボランティアがまだまだ必要だとの情報が入りました。京都岳連は藤内小屋を基地として、毎年、籐内壁で指導員講習会や検定を行ってきたのを今年も9月に予定していましたが、急きょ、災害復旧支援ボランティア活動に切り替えました
。  活動開始予定日の週末9月20日は雨天に阻まれ、ようやく祝日(23日)に初めて京都岳連からも30人ほどが参加しました。岳連傘下の我々、京都山の会のメンバーは藤内小屋へ行く途中の登山道修復作業をしました。水場手前の土石流で流れた鉄橋(よんの渡し)の跡の少し横に施設された丸太橋から、崩れず残っている登山道へのバイパス道づくりをしました。休憩中、いろんなボランティアの人たちの話を聞きました。修復工事の最初、皆がチェーンソーを持ち寄って、藤内小屋の周囲の流木を切り払ったそうです。登山道整備の作業後、夕方に藤内小屋を訪ねると本館は大岩や土砂流で傾いていましたが、既に泥土は取り去られていました。 (9/23 当会より参加者=村西・山本・佐伯、ほか1名)
 9月28日(日)も、京都から30名ほどが参加しました。藤内小屋までの登山道はほぼ出来上ったので、藤内小屋からウサギの耳の岩場までの山道修復作業を始めました。何時また、ぐらつくか分からない岩と岩の間に登山道を造っていきます。岩を動かし、階段の木の梁を置き、木のクサビを打ち込み、丸太橋を造ります。 つい数時間前までは岩石と瓦礫の間を歩いていたと思ったところに登山道が出来ていきました。(9/28 当会より参加者=村西・佐伯、ほか1名)
 午後、「ウサギの耳」の岩場を見に行くと、破壊されずに残っていた! ああ、嬉しいことだ。
 そして、ようやくこの日に国見峠から蒼滝までの御在所岳裏登山道は、いちおう修復されました。当分の間、まだ危険ありの区域です。ゴロゴロした大石がどっちへ転げようかという箇所はまだ残っています。
 山道の修復を一段落し、藤内小屋に戻り休憩してから、小屋周辺の修復工事に再び参加しました。 直径1m以上の岩石を移動して、新しい土手の埋石にしようとします。石がでかくて、作業のボランティアは緊張を強いられます。 ウインチで大岩を動かし、土嚢を造り、積み上げました。
 3:3PMに小屋の鐘が鳴り響きます。 ボランティア終了タイムです。「皆さん、お疲れさんでした。ほな、帰ろうか。」
 鈴鹿スカイラインの三重県側ゲートの下にある「希望荘」の展望温泉に入り、馴れない筋肉の疲れをほぐしてから、京都へ帰ります。
 藤内小屋の修復はまだ時間がかかりそうです。きっと、当分は個人団体を問わず週末ごとに支援ボランティアが来てくれることを藤内小屋は願っていることでしょう。
 藤内小屋では、初めて参加した時に名前を記入すると、小屋の費用で修復作業手伝いに来てくれた人達のボランティア保険を掛けてくれています。ですから、個人的に、または数名のグループでボランティア活動に参加なさる時には申し出てください。藤内小屋の前で受け付けています。
 また、朝9時頃までに車で行くと、鈴鹿スカイラインの三重県側ゲート前でボランティア活動参加者の車のみ乗り入れが許可されていました。今後も「災害復旧支援」ということで、蒼滝まで乗り入がれ可能ではないかと思います。
 もし、貴方が御在所岳に行く機会があり、荒れた北谷(裏登山道)にほそぼそ続く山道を歩かれたなら、それが多くのボランティアによる修復道だと思い出してください。もし崩れた箇所があれば、ちょっと手直ししてから通り過ぎてくださったら幸甚です。(村西博次 記)

・日 程=9月23日・28日・30日
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