飛騨「野麦峠」
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左=旧街道の道標、右=峠道を奥へ向かう
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左=地蔵堂、右=大粒の雨が降るトラバース道
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左=野麦峠の展望台、右=増水した益田川
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 この連休は、北アルプス「乗鞍岳」へ登るつもりで出かけたが、活発な梅雨前線の影響を受けてとても山に登れる状況ではなかった。ザァーザァー降り続く雨のなか、どこか歩けるところはないかと「ななもり清見」(道の駅)で思案ののち野麦まで行ってみる。
 荒天のなかを益田川に沿って上流へ進むと、飛騨の僻地へ入ることがひしひしと伝わってくる。道程はやはり長かった。
 野麦の集落をはずれたところに旧道の入口がある。高度は約1350m。峠が1672mなので320mの標高差だ。本流沿いに進み、1362mの水準点で林道を離れる。やがて、カラマツの植林地で少し明るくなると、道は緩やかな蛇行を繰り返すようになる。信濃と飛騨を古くから結んでいた街道である。なかなかうまく道が付けられている。そして、二つ目の水準点(1648m)で地蔵堂が現われた。『あゝ野麦峠―ある製糸工女哀史―』(山本茂実)で、バア様の話として出てくる「野産み峠」や工女衆が谷に落ちたといわれる場所だ。ブナやモミの木々に囲まれ雰囲気のよい場所だったが、行き来した人々の運命とその歴史からくる重い空気が感じられる。ひときわ大きくなった水流の音を聞きながらトラバースしていくと、キャンプ場と池が視界に入り、まもなく峠の展望台に到達した。政井みねの墓や供養の碑が建ち、遊歩道が整備されていた。
 お助け小屋に下りると、車道(奈川・野麦・高根線)が閉鎖されるとの情報。下山する小屋主に頼んで草川さんだけ同乗させてもらい、とにかくゲートの外へ車を出してもらうことになった。飛ばされそうになる風雨のもと、我々も急ぎ旧道を下山した。
 残念ながらゆっくり味わうことはできなかったものの、道中に数多く咲くホタルブクロ・ササユリ・ウツボグサ・ゴゼンタチバナ・マイヅルソウなどが目を楽しませてくれた。
 機会があれば、上り下り三里といわれる峠道や旧道の寺坂峠・黍生などを違う季節に訪ねてみたい。(竹内 記)

・日 程=7月16日(日)
・コース=野麦・旧街道入口(10:20)〜野麦峠(12:25〜13:00)〜 野麦・旧街道入口(14:15)
・参加者=草川啓三・田代妙子・竹内康之
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