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初(はっ)ちゃんの世界紀行――吉田初枝
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      台湾の旅          〔2018.11.19〜2018.11.30〕
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 九州と同じ位の広さの島国、暖かい気候に恵まれ緑が溢れたこの国を、20数年前に訪れたことはあるのですが、記憶が曖昧です。もう1度旅してみたく、3人で関空より飛び立ちました。香港行のジャンボジェットは500人位の大勢の乗客、3時間で台北に到着する。
 台北のイミグレイションは黒山の観光客、ロンドンのヒースロー空港を想い出す。近頃はどこの国でも、テロ対策の為か指紋と写真を必要としている。1時間位待たされる。以前はバスでしか中心地にしか行けなかったけど、今では地下鉄(MRT)が通じて35分で行ける。便利になったとはいえ、巨大な地下街に迷い、私達は案内所で教えてもらったとおりに、交通機関のチケットを買い、やっと中心街の中央駅。此処も大きくてどの出口から出たらよいか、ウロウロとします。予約していた宿は、台北の大動脈の重慶南路、バックパッカー向きの、新しいタイプのホステルに到着。トイレとシャワーは各階にあり、台所も地下にある。今夜は休むだけ、清潔な寝具有難い。
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左=道教と仏教との混合の寺    右=故宮博物館
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左=中正記念堂の正面門    右=中正記念堂
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               台北にて(故宮博物館)
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 3人共に早起きなので、近くを朝の散歩に行きましょう。重慶南路はこの街の中心にあり、大きな銀行が沢山あります。早朝出勤なのかバイクや車が凄い数、激しく眼の前を走っていく。バイクの人達は皆、大きなマスクをしています。排ガスで、この街は汚れているのかも知れない。
 この地には信仰の源として、大きなお寺が有ります。台湾は道教と仏教が混合して寺となっている。お寺の建物は華やかで、何かの御殿のようです。沢山の色とりどりの胡蝶蘭、豪華なカサブランカの花が、ところ狭しと飾られています。線香も太く長く、全てが大振りです。日本のお寺のように、落ち着いた雰囲気は無い。近くの住民が、朝のお参りに次から次へと、やって来ています。自分達の習慣としているのでしょう。
 台湾のメインの一つ故宮博物館に行きましょう。宿からの歩きで西門駅より、故宮博物館行のバスを待つ。少し待てばバスはやって来て、北山の方の高級住宅地の、山を背にした高みにあり、どっしりとした建物。博物館自体が白、赤、ブルーの屋根で堂々としている。蒋介石は第2次世界大戦後、中華民国政府が内戦の不利を悟り、中国の宮殿内に所蔵していた至宝の中でも、第一級の所蔵品を選び出して、彼は多大な苦労して各地に隠匿し、軍艦で此の台湾に運んだと言うことを、読んだことが有る。中国の故宮博物館よりも台湾の方が、価値ある物が多いと聞いている。
 この建物は3階まであり、夫々の逸品を見物する。3階の2台名宝の白菜と肉形石には、人々は集まっています。残念な事に白菜は貸し出されている。以前見た時には、小さいなと思いました。肉形石も手の平に乗る位の小振りです。3人とも待ち合わせの場所を決めて、自由に見物しました。 台湾の政治の中心である総統府に行く。東京駅に似ている様に思う。日本政府が建築したものらしい。壮麗な建物の中心に高い塔の棟がある。多くの警備員が黒の制服を着てガードしている。
 中正記念堂に行く。入口の門が独特の形、美しく手入れされた庭が両サイドに、中国古典風の建築物が有り、そのプロムナードを突き当り、階段を登り青い八角形の屋根を持つ記念館には、日本統治後に台湾を支配した蒋介石の巨大な座像がある。良く歩きました、今晩もぐっすりでしょう。
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                台北→花蓮(ファーレン)
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左=台北の総統府       右=花蓮の小籠包の店
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花蓮のメイン通り
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朝の散歩で色んな事を考えさせられます。台北市民は信仰心篤く、老人も若き勤め人も、お参りに来ています。私は幼い時より、神仏にはお願いをしてはいけない。ただ今を感謝しなさいと教えられましたので、他国の神仏には手を合わせ、心の中で“有難うございます”と呟くのです。
 心地よい宿をチェックアウト、巨大な台北駅より花蓮への列車を捜す。花蓮へは混んでいる場合が多いと聞いていたが、前日すんなりとチケットは得られました。韓国のツアーの観光客が多い、列車は満席、快適に進みます。台北の郊外は、超高層ビルの住宅が連なっています。その数が驚ろくほど多い。地震対策は為されているのでしょうか。高層ビルを見ると、そこが心配になる。窓の外には稲作の田んぼが多い、二毛作なのでしょうか、田植え前あり、収穫前もある。
 花蓮は比較的に新しい街らしい。日本統治時代には、日本から多くの移民を受け入れる港としても発展した。昼過ぎには到着する。予約していた日本人経営の民宿には、何方も居ない。困っていると、隣人が玄関の暗証番号を教えてくれる。取りあえず荷物を置いて、市内見物に出かけましょう。台湾では飲食店の多さには吃驚しています。安くそれでいて美味しい。庶民派、中級、高級も様々のタイプがある。何処の都市でも同じだと思うけど、観光客は食事には困らない。これだけ多いと、主婦は家庭で料理をする気にならないのかも知れない
 旧市街を気ままに散策して、街の様子も少し分かりました。或るお寺でお年寄りが、日本語で話しかけてくれる。小学校の低学年まで、日本語の授業だった。台湾語で話せば“げんこつ”だったこと。幼き日に覚えた日本語を、忘れずにいてくれたことは、嬉しい限りです。
 4時過ぎに民宿の主人はやって来る。私達が待っていたことを話しても、謝りもせずに当然だと言う態度は、おもしろくない。花蓮の夜市に、ライト持ちで行く。夜8時過ぎからは混むらしいのですが、時間の遅いのは苦手なので、早めの夜市は人出が少なく、野菜や果物の店、屋台は魚介類を焼いて、食べさせてくれる店が多い。子供を楽しませる店は有りません。たこ焼き、お好み焼き、焼き肉店等、日本にある同じ食べ物屋さんばかりで、食指を動かすものは有りません。自分達で戴く果物を買った位でした。
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左=太魯閣       右=太魯閣
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               花蓮にて(太魯閣)
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 旧市街には朝6時でもオープンしている店もある。今日の目的は太魯閣に行くこと。宿専用の車でのツアーを勧めるけど、自分達で迷いながら行きたい。市内バスの1日券を買う、ある程度のトレッキングをするつもりで乗車する。花蓮駅より太魯閣の入り口までは1時間位。渓谷沿いのトンネルを幾つも越えて、遊歩道に下車する。高い所につり橋が有り、若い人達は挑戦している。定員があり、1日には150人位しか渡らせないそうです。見るからに危険そうなので止めました。次の停車場は燕子口歩道でした。此処が一番の絶景でしょうか。遊歩道をツアーの観光客は皆ヘルメットを被っています。私達は御免こうむります。壁面にイワツバメが無数の巣を作っています。歩きながらの見物は、絶壁が直角、それ以上にハンギングしていて、首が痛くなりそうです。宿の説明では、次のバス停までを歩くべしだった。幾つものトンネルを通って、長い間歩いたけれども、バス停が無い。困って居たら通りかかった方が、バックして私達3人を、親切にも車に乗せて、天祥まで送ってくれました。此処が最終地点です。天祥には赤い吊り橋と、その向こうの小高い山に、観音様を祀ったお寺が有りました。其処まで登り、周囲の景色を眺め一休みする。天祥の何軒かある食堂の中で、自分の好きなものが戴けるバイキングスタイルで、遅い昼食を済ませ、バスに乗って花蓮に帰りました。
 夕方には沢山のお客さんで、何時も混みあっている評判の小籠包の店が、運よく混んでなかったので、戴いてみると、豚まんの小型のようで、そんなに美味しくはなかった。神戸の南京街の小籠包の方が、ジューシーで美味しいと思います。
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               花蓮→台東
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左=鯉魚山公園    右=鯉魚山公園
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 台湾は今、選挙活動の真最中、全国の市、県、国会議員さんの立候補者達は、街角で手を振り、宣伝カーに乗り、身を乗り出して、叫びまくり、爆竹の音を録音してマイクで流している。大きな音で驚くこともある。日本と同じく選挙中には電柱にも、頭を下げているようです。当選すれば多額の国民の税金月給をもらい、市民の為ではなく、自分の保持のためにのみ活動をする。止めたくはない人ばかりの、よっぽど恵まれた美味しい職業のようです。
 台東迄2時間程、雲に隠れた山脈の向こうが花蓮でした。緑深き山に囲まれ、南向いて走る。水田と果物の畑が続きます。稲穂は日本よりも背が低く、収穫時もまちまちのようです。新しい台東駅が出来たようで、以前からの旧駅が、この街の中心です。タクシーもメーター制で、安く安心です。清潔な街の雰囲気がある。爽やかな海からの風が、心地よく吹いて来ます。台湾ドルが少なくなってきたので、換金しましょう。銀行は時間が掛かりますけど、安全性を思えば仕方がない。  旧駅近くに宿を決めて、早速、市場巡りをしましょう。大きな市場は庶民の味方、魚介類、肉類、野菜果物は、豊富で新鮮なもので溢れています。
 日本の統治時の神社の跡地に建てられた、鯉魚山公園に行く。戦没の軍人を祀るお寺になっています。地元の人々のレクレーションの場であり、野外でカラオケや、老人達が何かのゲームを楽しんでいる。台湾のお寺は何処もカラフルです、近寄りがたい位艶やかです。この公園の中に在る観音菩薩を祀る龍安寺に登ると、台東市街が眼下に眺められました。
 今夜も夜市に行こうかな、毎晩遅くには盛況になるらしいけど、私達は早めに行くので、準備中もある。地元の人々は夕飯を作らずに、家族ずれで楽しんでいる様子です。屋台は不潔とは思わないのですが、好みの物が無いので、宿に帰り持ってきたもので、ささやかな夕食を済ませます。明日は選挙日なので、あの爆竹の音から解放されるでしょうか。
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               台東→高雄(ガオシヨン
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左=左管蓮池潭    右=龍虎塔
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 空港で地下鉄(MRT)の乗車の際に買ったカードに、入金すれば台湾中のバスや列車、地下鉄には乗れる。残金が少なくなれば、コンビニで何時でもチャージ出来る。本当に便利なカードです。  ホテルは朝食付なのですが、朝早く発つことを告げると、マクドの弁当のチケットを、用意してくれる親切な宿でした。早朝5時から、用意しているとのことでした。
 今日は高雄迄4時間位かかるらしい。日本からの直行便もある。海岸沿いを走るので、その景色を大いに期待して窓側に座る。海岸に山が迫り、緑豊かな段々畑が日本と同じ様な風景も続きます。 海岸沿いに大きな波が打ち寄せ、夏には絶好のサーフインが出来そうです。砂浜には白いレース状の模様を描いています。矢張り年中暖かい気候は、豊富な果物を育てます。バナナ園と袋をかぶった何かの果物畑が、延々と続きます。日本のスーパーでは、台湾バナナの方が、他の国の物より少し高い。多くの原住民が住んでいたのでしょうか、…民族の村と書かれた立札が建てられている。今は同化して、知る由もない。高雄に近くなると田畑に代わって、魚の養殖場ばかりが目につく。多分エビやカニが養殖されているのでしょう。タイの農村でも同じような光景が見られた。お米よりもエビの方がお金になるのでしょうか。ドライバーさんと、知り合い方が話しているのは、激しい口調で、まるで喧嘩をしているように聞こえる。
 高雄に到着して、便利さだけでホテルを選び、北にある高雄一番の観光地、左管蓮池譚(ズオインリエンチータン)に地下鉄で行く。巨大な淡水湖は、今も小型のピンクや白のスイレンの花に覆われています。湖の南に高い塔が2つあるのが龍虎塔。台湾では十二支の中で龍が珍重され、虎は悪しき動物とされている。この塔の中が空洞になり、龍の口から入り、虎の口から出れば、罪が浄化される言い伝えがある。内部には仏教説話が詳しく描かれています。ブルガリアのリラの僧院でも、同じことが有りました。字の読めない人にも、解り易く説明をしているのでしょう。湖畔もそぞろ歩きには、春夏秋冬の景色を愛でながら、若きカップルの待合場所にもなっているようです。  大陸から移住してきた客家の人々の、婚礼道具や家具などが展示されて、建物も客家建築になっている客家文物館へと行きました。優しく愉快な夫人の説明で、気持よく過ごさせてもらいました。  台湾では何処の市でも、道を尋ねれば皆優しく教えてくれますし、お年寄りは日本語を理解して、連れて行ってくれます。街角の道路の名前も、昔漢字なので大体の見当はつきます。
 土曜日の今晩は、六合夜市は、他の夜市よりも規模が大きいらしい。宿から意外と近いところだったので、興味津々で行くと、歩き難い位の凄い混みようです。大きな道路の両サイドには、沢山の屋台が犇めく、歩行者天国です。海鮮料理、焼き肉お菓子など、どの店も呼び込みに威勢が良く、負けそうなぐらい。どこまで続くか分からないぐらい遠くまで。相棒さん達はビールの当てに、エビ、カニのから揚げ、私は海鮮粽を買いました。深夜まで地元の人達や観光客で、騒ぎ合うらしい。テレビは選挙結果を、報告する画面ばかりです。
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               高雄→台南
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左=赤管櫻    右=安平古塁
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 台南まではバスは無いらしい。通勤列車に乗るが、乗り物カードで乗車しても、席が無いのが失敗でした。駅でチケットを買えば、座席も附いてくるのに、知らないと言う事は、台湾の人にとっては、おかしい事でしょう。台南まで立ち席でした。
 駅前の大きなホテルは午前中でも入室させてくれる。朝食付きらしい。乗り物カードでバスに乗り赤管櫻(紅毛城)に、オランダ統治時代に建築された城です。地震で全壊したらしいが、後に改築され中国風の城となった。此の台湾には赤レンガの塀が目立っていますが、オランダ人がこの耐久性に優れた赤レンガの技術を伝えた。この城の裏にオランダ統治時代の城門と、基台が少しだけ残っている。
 台南は矢張り暑く、強く照りつける、暫く待って巡回バスで安平古塁に、道沿いには南国特有の、ブーゲンビリアの花が咲いている。バスを降りて地元の人に聞けば、腕をつかまされて、道を横断して教えてくれる。安平老街は伝統的な、赤レンガの住宅街となっている。其処を過ぎれば、今日は祭りかなと思えるほどの、露店商が連なっています。多くの客引きに呼び止められて、ぞろぞろと人の後に続いて、やっと安平古塁に着く。オランダの東インド会社が築いた城塞、火災から再興し、当時のオランダ的な天守閣が残っています。300年を超すガジャマルの樹、白く香しいプルメリアの古樹や、美しい庭や池がある。色が違うレンガの階段がある。インドネシアから運ばれたと言う。敷地内には歴史資料館もあって、興味深く拝観しました。
 原住民の文化会館は、台湾の多くの民族の服装や装飾品等を展示している。地元の祭りのビデオを見せてくれる。  台南は果物の宝庫で、玉井という所はマンゴーの名産地らしいが、4月〜10月までらしい、今パパイヤは食べ頃らしい、残念ですがあの美味しいマンゴーは終っていました。
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               台南→嘉義(ジャイ)
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 台湾の人気の阿里山を目指そうとすれば、嘉義に泊まるのが常套手段、日本の統治時代、阿里山の森林資源が目的でした。木材運搬用のトロッコ列車を開発した。急こう配を緩和するループ線や、スイッチバックを使い、運び出された檜木は、日本に運ばれて神社、寺の建材に使われた。皮肉な事に、其処が観光の目玉になった。以前友人との旅した時には神木駅まで、森林の中をトロッコ列車に乘車したことはあるが、今は度重なる地震や水害で、メンテナンスが追いついてない。嘉義の宿を決めて、バスで行ける所まで行く予定。心配していた雨が、本降りになって来た。奮起湖で休憩する。阿里山を目指す人もいるが、言葉が通じないのは、もどかしい事です。其処から40分位、バスは深い森林の中を行けども、ガスが覆って来て、時折ガスが切れた所から、遠くの阿里山山脈の雄大な頭を見るが、全貌が見えない。周囲は広大な茶畑が続く、加工する工場も沢山ある。神木駅近くでバスは終点。2000m級の所は寒い。慌ててウインドーブレカーを着る。少しぐらいはトレッキングをしようと思っていたけど、この雨では如何しょうもない、何事も計画どおりになるはずがないので、諦めも大切です。バスに乗ってバックする。
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               嘉義→台中(ダイチョン)
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左=台中駅    右=台中駅近く
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左=日月潭    右=孔子廟
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庶民のマーケット
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 列車のチケットは前日に買えば、必ず指定席があり安心する。列車は下車する人が有れば、その席に次の人が乘って来る。日本の新幹線よりも、効率よく機能している様に思える。何時も満席ばかりでした。1時間20分で、台湾の第3の都市、台中に到着する。気候に恵まれ、住みやすい土地柄でもある。駅は近代的に新しくなって、その横には古い駅もそのまま保存している。以前の駅の方が親しみやすいと思いますが、時代の流れなのでしょう。新しくなっていくのです。未だ駅の工事は終っていない。もっと広げようとしています。益々台中は発展を遂げるのでしょう。
 宿は駅の裏手の路地の奥、隠れ宿のようで面白い。日月たんに行こう。高速道路を走り2時間40分、やっと湖が見えてくる。台湾の最大の天然湖。昔、湖の周辺に住んでいたサオ族が、白鹿を追って、此の湖を発見したと言う、逸話がある。台湾の人々の憩いの地である。祭りも沢山あるらしい。山と湖に囲まれ、四季が織成す景観を楽しみにして、観光客はやってくる。私達は遊覧船に乗って、長い階段を登り、高みに在る玄そう寺に、西遊記の高僧三蔵法師を納めている、その舎利から眺める湖の景色は素晴らしい。遠くに見える慈恩塔は、登る自信が無いので行きませんでした。伊達部で船を降りたのですが、此処は土産物屋さんと飲食店ばかりで、人混みの観光客でがっかりです。 文武廟は行きませんでした。この地もお茶の産地なのでしょう。太陽に恵まれ、茶に適した土壌が品質の良さを決める。試飲してみても、好みではなく、慣れ親しんだ日本のお茶が一番美味しいと思います。矢張り私は日本人、他の国には馴染めないのかも知れない。
 台中には連泊なので、宿の付近に慣れてきたが、また次の地に行かねばならないのが、旅に在る常の事。近くにはバイキング形式の食堂が有り、私達は今回の旅では、よく利用しています。メニューを見ても分からないのを注文するよりも、自分の眼で見て選ぶ方が、納得がいきます。  台中公園を訪ねる、市民の憩いの場、此の中の建築には、日本政府も援助している。あずま屋風の瀟洒な建物が、大きな池の中に浮かんでいます。紅い眼鏡橋も鮮やかです。沢山の白い鳩が、森林の中を飛び交い、平和でのびやかな雰囲気がある。
 のんびりの散歩も兼ねて孔子廟に、孔子とその弟子達が祀られている。中国独時の神殿建築、その巨大さと繊細な装飾には驚かされる。其処から歩きで寛覚寺へ、この仏教寺は近くからでも、塀の上から、金色の大きな仏像が見えます。何方が見ても輝く仏像は、笑顔にしてくれる、にこやかな巨大な仏像でした。  飲食店が集中している台中一中街を、或る人に尋ねると、その方はバスに一緒に乘って、連れて行って下さる。台湾の人は何方も本当に親切にしてくれる。日本人に対して、此れだけの好感度を持っている国は有りません。一中街で飲茶料理の店を見つけて戴きましたが、矢張り本場の香港には、勝てないですね。  台中文学館は台湾文壇の中心地、日本統治時代の警察の官舎をリニューアルして、日本家屋の木造建築を生かし、静かで落ち着いた雰囲気の中で、台湾のお茶を味わっている若者達がいました。その付近は官庁街で、法を司る裁判所あり、司法の事務所が沢山ありました。今日も長く歩いた1日でした。以前台中の夜市で戴いたビーフンの美味しさは、忘れられないのですが、人に聞くと今は、若者達のアパレルや雑貨が多いし、騒々しい若者の夜市らしいので、行くのを止めました。
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                台中→台北
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左=台中文学館    右=台北博物館    
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 駅前の隠れ家的な宿は、朝食はヨーロッパ風のものでした。台中の駅は近代的な発展の象徴の様な駅、近くには色んなモニュメントがあり、なんだか不思議な国に来たような、感覚になる。
 列車はスピードを上げて田園地帯を突っ走る。車内の掲示板も解り易い。台北で最初に泊まったホテルは、昼前にもチェックインさせてくれる。何時ものマーケット近くの、昼バイキングへと急ぐ。近くに三越デパートが有ったので覗いてみる、驚いたことには食料品は日本製のものばかり。13階もあるのですが、ブランド物の売り場ばかり、若いお客さんは並んでいる。以前、日本の好景気の時代には。こんなこともあった。
 丸くグリーンの屋根が目立つ美しい建物に、引き寄せられるように訪れると、日本政府が建築した博物館でした。台湾の動植物や原住民族の展示が、とても丁寧で美しい。  台湾には以前の日本の昭和の様な、雰囲気を想像していました。其れは見事に思い違いでした。現代はすっかり先進国となり、以前訪れた時よりも進歩発展は著しい。それはあまりにも早く、人々は追いついていけるのでしょうか。人々の生活は幸せになったのでしょうか。機会があれば聞いてみたかったと思います。もう2度と訪れる事は無いでしょうけど。実に平和な国でした。
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