数日前の夏から打って変わって秋晴れの登山日和となった。一日目、奥千本の金峰神社は、夏服では少々寒い。青根ヶ峰まで登るとようやく体が温まった。少し戻り、百貝岳に向かう。ヒノキ林の樹形が美しい。鞍部から緩い坂を登りきると、小さい神社の祠のある山頂についた。見晴らしは全くない。下山は反対の方から鳳閣寺に向けて下る。国の重文の石造宝塔が設置されている。鳳閣寺の本堂脇から奥千本金峯神社へ登山道は抜けているが、国土地理院の2.5万地図とは大きく違っている。おそらく地図の方の誤りだと思われる。神社境内の展望所からは生駒、葛城山方面が広がっていて、秋のすんだ景色が良かった。
二日目、白川渡のキャンプ場を出発し和佐又キャンプ場跡を目指す。昨年の閉鎖情報を基に計画したのだが、なんと和佐又ヒュッテは新装開店していた。周辺もずいぶん整備され、自動車乗り入れのキャンプ地も併設されている。キャンプ場を抜け雑木林の樹林下を緩く登るとすぐに和佐又山への尾根の鞍部につき、ヒメシャラが混じるブナ林を北に登っていく。3メートル越えのブナやミズナラも目立つ。やがて立ちふさがるような断崖沿いの道に変わり、絶壁の岩の下(窟)には、祠や石仏が並んでいる。修験者たちの修行場である。朝日窟、笙ノ窟という。日本岳のコルからいよいよ尾根登りだ。随所に梯子が据えられ、スリリングな登行である。慎重に歩を進める。やがて、小普賢岳を過ぎ、鞍部からまた梯子の連続をこなすと、ようやく笹の生い茂る登山道になった。山上ヶ岳からの奥駈道と合流すると山頂はすぐである。樹々の葉が紅葉しかけている。山頂からは大峰の中枢部が南に弥山、釈迦岳、北に山上ヶ岳、稲村岳と広がる。東は大台の山並みと熊野灘が広がっている。往路を戻るくだりは登り以上に気を使い時間をかけて慎重に下った。笙ノ窟からは「岩村新道」を利用して下って、トチ、ブナ、ケヤキの巨木とヒメシャラの群落を観察しながら戻った。
(服部 記)
・ 日 程=2023年10月2日(月)~3日(火) 晴れ時々曇り
・ リーダー=服部
・ 参加者=2名
・コース =10/2(7:20)竹田駅西口=(10:00)奥千本~金峰神社~(10:40)青根ヶ峰
~(11:55)百貝岳(12:30)~(13:10)鳳閣寺~(14:10)金峰神社
~(14:20)奥千本
10/3(7:25)和佐又ヒュッテ~(8:55)笙ノ窟~(9:30)小普賢分岐
~(10:25)奥掛け道~(10:35)大普賢岳(11:00)~(12:30)笙ノ窟
~(13:55)和佐又山分岐~(14:10)和佐又ヒュッテ駐車場
=(17:40)竹田駅解散
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