総括登山 高見・台高・吉野「三峰山・高見山・青根ヶ峰・薊岳・国見山・石ヶ平谷」
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 坂本記者の特派員報告!
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50周年総括登山記念撮影
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一日目の三峰山
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左=涼しげな不動滝  右=満開のシロヤシオ
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二日目の明神平
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左=南面から望む高見山  右=明神平を散策
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避難小屋前の巨大ブナ
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 一昨年から実施されてきた『京都山の会』50周年記念山行事業は、いよいよ最終ラウンドを迎えた。一泊二日の「総括登山」は、会員No.1から新入会員の1018番まで54名が終結して、二日間とも五月晴れを味方につけ、6コースの例会山行と「ふるさと村」での夕食会やキャンプファイァーの集いなど、予定通りの全メニューを完全消化して大盛況のうちに終えることができた。会と会員にとってひとつの時代と歴史の節目を感じつつ、また新たな活動をスタートさせる有意義なイベントとして心に残るよい思い出になったことと思う。
 一日目。朝7時竹田駅、京都バスの中型2台と小型バス1台に分乗する。1号車は「高見山コース」(L. 岡本/SL.千田)を選んだ18名。2号車は「吉野青根ヶ峰コース」(L. 萩原/SL.北川)の13名が乗る。3号車は「三峰山コース」(L. 住吉/SL.池野)で23名が乗り込んで出発。名阪国道「針テラス」で一度全車休憩した後、各車が各コースの登山口に向かって同時に出発した。
 冬は霧氷の花が咲くため何回か登っているが、この時期は初めてなので「三峰山」を選んだサカモト。11:30「今日は船頭が多いから大船に乗った気分」と上機嫌で不動滝登山口から歩き始める。鳥居をくぐって植林帯を行くと、まもなく涼しげな不動滝に出合う。ヒトリシズカが咲く滝の上部から尾根筋をひと登りすると避難小屋が建っている。小屋の前には四方に枝を伸ばしたブナの巨木が立ちはだかり、全員がその筋肉質な「千手観音ブナ」とでも呼びたい威厳ある大木を眺めながらのランチタイムとなった。昼食後は登り尾コースと合流する三畝峠から近畿自然歩道の尾根通しに山頂をめざした。
 13:35。1時間足らずの行程でミツバツツジとシロヤシオが咲く「三峰山1,235m」に到着。さっそく記念写真を撮って寛いだ。その後、山頂から南に10分も歩くと八丁平と呼ばれる草原状の台地が広がっている所に導かれ、一同から歓声が上がった。空ってこんなに青かったけと思うほど大きな青空に、満開のシロヤシオとアセビの群落が点在し、大台ヶ原や台高の連綿の山並みの景観。小高い丘の陽当たりのよい場所で寝そべったりお弁当を広げたりの大勢の登山者も一幅の絵となる、この山一番の見せ場であった。さぁ〜、下山という時に22名いなければならないのに、ひとり足りない! 大声で名前を呼んだり笛を吹いたり、辺りを探すが見当たらない。三峰山では一緒に集合写真撮っていたのに〜。「どこにいるの、Hちゃ〜ん!?」
 けっきょく携帯が通じて、彼女は避難小屋から登り尾コースを下山していることが判明して一安心。一時騒然としたが、多人数登山の際の要所要所での点呼の大事さ、コースの確認や情報の共有など基本的な心得を学ぶ教訓となった。ハイライトスポットでまさかのエピソード。忘れられない例会になった。

 「東吉野村・ふるさと村」へは、我々のパーティが一番遅くの到着になった。100年前のクラシックな校舎をオシャレに改造した宿舎の前で集合記念写真を撮ったあと、17:30から「50周年記念夕食会」の始まり。横田委員長の開催挨拶に西尾会長の祝辞、今年85歳になる萩原さんの「皆さんの健康とこれからもますます楽しい山行きができますように」の乾杯の音頭。呑むほどに酔うほどに宴は盛り上がり、そのまま玄関前広場でのキャンプファイアーの集いで沸騰点に達した。みんなで歌おう♪と青い山脈だ、高校三年生だと唄っている間に興が乗ってダンスをするカップルが現われ、さらにさぁ、「炭鉱節」だぁ〜とみるみるうちにファイァーを囲んで大きな踊りの輪ができて「掘って、掘って」との歓喜の盛り上がり。山の会のイベントでこんなの初めて見た。大きな流れ星が山の彼方にながれて行った。

 二日目。「健脚組の薊〜明神平」と「沢登り」は早出していった。「軽登山の明神平組」は9:00出発。中型バスは林道の奥まで入れないため、手前のパーキングで下車。長い大又林道を歩いて登山口に詰め、川を何回も渡渉しながら登りつめて行く。明神滝が青葉に映えて美しい。山腹道に転じてバイケイソウの群生する急斜面をジグザグに辿っていくと、いきなり目的の明神平に飛び出した。いつもこの草原状の独特の空間に感動する。前回ブナクラブで来た時は、お天気はよかったが風が強かった。しかし今日はポカポカ陽気で、どこの風景を切り取っても「五月晴れの新緑が輝く山」の眺望だ。圧巻は明神岳にかけての尾根通しに観られるブナの樹林だ。新緑もいいが紅葉もいいだろうな、スノーシューもいいに違いないと、この山の魅力を堪能する。東屋で至福のランチタイムとした。下山開始を前に記念写真を撮っていると、また一人足りない! 今度は昼寝で爆睡していたとかで、みんなの声に気がつかなかったらしい。思わず昔のメロディにある「私の好きな草原♪」を唄いたくなる、のどかで愉快なエピソード。全員揃ったところで再撮影をして下山した。
 「ふるさと村」に戻り、「やはた温泉」に入浴。16:00には全スケジュールを消化した全員が広場に集結。北川部長から「総括登山」の総括の挨拶。組織の機動力といい、会員の健脚ぶりといい、『京都山の会』の底力を見た思いだ。2号車・3号車に分乗して帰京の途に。予定どおり、19:00過ぎに竹田駅へ到着して解散した。
・日 程=5月24日〜25日
・参加者=54名(総勢)
・リーダー=三峰山 住吉 実/サブリーダー=池野正明(参加者=22名)
      明神平 岡本 登/サブリーダー=吉見久子(参加者=22名)
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 「青根ヶ峰」山行報告
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左=上の千本から  右=スズラン・フタリシズカ
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左=新緑の中、上の千本で  右=西行庵
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全員で集合写真
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 中の千本は桜の花も終わり新緑の季節。だが、観光客はほとんど見当たらなかった。奥の千本までは観光道と大峰奥駈道で、急な坂道が多く周囲を観ながらゆっくり登る。道端にはツツジ・アザミ・ハルジオンなどが、住宅の庭にはシャクナゲ・サツキなどの花が見られた。そして、ホトトギスとウグイスの鳴き声があちこちで聞かれた。上の千本あたりからは展望もよくなり、「一目千本」と言われるだけに前景は新緑が広がり、遠方には葛城・金剛の山なみが見られた。
 尾根の新緑のなか、ひときわ大きい屋根が金峯山寺蔵王堂で、ここに修験道の総本山を役行者が開いた。大峰奥駈道はここから始まり、険しい山道などが熊野本宮大社までつづいている。住宅街にある吉野水分神社にお参りする。華麗な本殿に囲まれた小さな庭には、スズラン・フタリシズカ・クリンソウなどの花が静かに咲いていた。小高い高城山展望台に登り、ここからも大展望を楽しんで奥の千本に向かう。金峯神社直下の道路で帰りのハスを確認し、急な坂道を登ると金峯神社に着きお参りする。ここが奥の千本の入り口で、スギや桜の老樹に囲まれて鎮座する吉野山の地主神で、修験道の行場の一つである。
 昼食のあとは山深くなった奥駈道を登り、西行庵への分岐道に進み、急な坂道を下って西行が3年間過ごした小さな庵に着く。モミジやモミなどの新緑に囲まれていて、静かでよく整備されていた。こんな奥深い場所に住んでいたとは、驚きである。引き返しには、登り下り用に新しい立派な手すりが取り付けられていて助かった。分岐まで引き返し、再び奥駈道を登る。標柱のある青根ヶ峰への分岐道からは、短いが急な階段道ばかりを、最後の頑張りで登る。山頂は狭い場所で、樹林に囲まれ展望はない、858mの三等三角点と標識があった、ここが吉野山の最高地点と言われている。写真を撮り、早々に同じ道を下山する。金峯神社下まで下って、待機中のバスの前で小森さんも入って集合写真を撮る。バスに乗車して、「ふるさと村」に一番で全員無事到着した。(萩原 記)
・日 程=5月24日
・参加者=13名
・リーダー=萩原孝一/サブリーダー=北川嘉康
・コース=中の千本(10:15)〜吉野分水神社(11:05)〜金峯神社(12:00〜12:30)〜西行庵(12:50)〜
     青根ヶ峰(13:30)〜金峯神社下(14:00)
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 「薊岳」山行報告
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左=薊雌岳  右=シャクナゲ
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薊岳山頂で
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左=ブナ林の尾根を歩く  右=若葉のブナ林
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 宿舎で早めの朝食をとり、マイクロバスで総勢22人が出発。大又の笹野神社(標高425m)で安全登山を祈願して、晴れのもと標高差約1000mの薊岳登頂をめざした。
 7:25、神社横の小道から林道に出て、民家の横から山道に入る。道はよく踏まれており歩きやすいが、単調な吉野杉林のジグザグな急登を数度の小休止をはさみひたすら登る。登ること約2時間余り、1170mの大鏡池に到着。しかし池には水がなかった。そこから東へと尾根をすすむと、若葉のブナが主体の自然樹林に変わり、行く手に薊岳の雌岳が顔を見せた。細い岩稜の登りをこなすと薊雌岳を踏む。ラッキーなことに、その山頂からの尾根道は満開のピンク色のシャクナゲが群生しており、薊岳(雄岳=1406m)までの歩きは素晴らしい目の保養となった。薊岳の山頂は岩峰で狭いが、台高山脈のほぼ全域が見渡せる好展望だった。
 薊岳から前山までの尾根道歩きの約1時間、若葉の美しいブナやカエデと稜線の斜面に木漏れ日をうけて若々しい緑のバイケイソウの群生にも出会え、山の深さを十分に味わうことができた。前山で昼食をとり、明神台平に向かう。明神平は、昔はササの敷きつめられた明るい草原といわれていたが、今回はシカのせいかササはなく、小さな雑草が生えているだけの変哲もない起伏のあるただの広場だった。
 明神平からマイクロバスの迎えがある林道登山口までは、小さな谷を数本横切る急な道であった。この下山道は全体的にはよく踏まれているが、やはり昨年9月の台風のせいか、谷筋のいくつかのところで道が荒れていた。(中西 記)
・日 程=5月25日
・参加者=22名
・リーダー=中西伸二/サブリーダー=住吉 実・北川嘉康
・コース=大又・笹野神社(7:25)〜大鏡池(9:40)〜薊雌岳(10:50)〜薊岳(11:00)〜前山(12:00〜12:40)〜
     明神平(12:50)〜林道登山口(14:05)
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