北アルプス「北穂高岳」
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左=涸沢小屋のテラスにて  右=笠ヶ岳夕景
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槍ヶ岳をバックに
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左=浅間山より登る朝日  右=涸沢より北穂を望む
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夜明けの槍ヶ岳
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前穂高岳をバックに横尾にて
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 北アルプス・穂高連峰の北端に位置する北穂高岳からの展望を期待し、最盛期を外して静かな山歩きを計画してみた。
9月3日(月)
 レンタカー山行となり、車で平湯温泉へ。中部縦貫道の工事の関係で、以前来たときと道が違っており余分に時間がかかったが、無事平湯温泉に着く。タクシーに乗り換え上高地へと入る。
 まずは腹ごしらえをして歩き始める。京都を出たときは晴天だったのが、すっかりガスの中に入ってしまった。明神・徳沢と順調に進むが、本日の宿である横尾の手前20分ぐらいからとうとう雨となり、傘をさして横尾山荘に投宿する。
 比較的新しい建物で、気持ちの良い山荘だ。濡れた物を乾燥室にぶら下げ風呂に直行する。石鹸やシャンプーがないだけで、浴槽やシャワーは旅館並みの設備でゆっくりと体を温められる。ラッキーにも我々グループで一室となり、やはり最盛期を外すとypいことがある。明日の登頂に備えて早めに眠りに就く。
9月4日(火)
 目が覚め、窓から外を見るとガスが重たそうに降りている。素早く食事を済ませ、雨が降らないよう祈りながら横尾大橋を渡る。宿泊者の大半は槍ヶ岳に向けて出発していくようで、やはり人気の山だと思われる。
 1.3キロほど広くて平坦な道を歩くと山道へと入って行く。勾配はほとんど感じない横尾谷をひたすら進む。左手には屏風岩が圧倒してくるが、上部はガスに覆われている。まだ雨には遭わないが、時間の問題のような気がする。
 本谷橋の吊橋を渡り小休止。シーズンのときは登山者で溢れかえっている休憩適地だが、今は4〜5人程度が先着していた。ここからしばらくは急登が続く。喘ぎながら休み休み登り、涸沢ヒュッテが上のほうに見え出してくると少しホッとする。この辺りから雨具を着ての登りとなる。
 ナナカマドの実が赤くなり、あとひと月もすれば葉が赤くなり紅葉本番となるのであろう。石畳を登りきると涸沢小屋に到着する。前穂・奥穂山頂はガスの中だが、空が明るくなり始め雨具の必要はなくなってきた。テラスで小休止とする。テントの色がカラフルに眼下に広がるいつもの景色だ。
 小屋のすぐ横から一直線の急登が始まる。アザミやトリカブト、その他が残るお花畑をジグザグに高度を稼ぐ。岩ゴロ道から谷を横切るとクサリ場に出る。真新しい花が供えられてあり、最近遭難された人があったようだ。ボルトも打たれており、足の置き場に不自由は感じない。最後にハシゴを登りきるとこのルート最大の難所はクリアだ。
 あとは南稜の急登を辛抱強く登り、簡単なクサリ場を通過すると稜線に出る。晴れていれば山頂が見えるが今はガスの中。キャンプ場を通り、奥穂への分岐を過ぎるとあと200メートルほどで北穂山頂だ。
 残念ながら山頂からの展望はまったくない。早々に小屋へ入り、コーヒータイムなどしているうちに雨となる。間一髪でセーフだった。雑談に花を咲かせていると周囲の山々が姿を現わし始めた。カメラを持ち出し360度の景色をカメラに納める。
 食後の夕景も素晴らしく、外の寒さも忘れてただ見とれる。この北穂高小屋でも我々グループで一室となり、ゆったりとして眠ることができた。
9月5日(水)  今朝は素晴らしい天気だ。寒さも気にせず御来光を待つ。前穂の左には遠く富士山が見える。常念のバックには、浅間山付近から昇る太陽が眩しい。青空に見送られ下山していく。難所を慎重に下り、登山者から注意いただいた谷の横断地点では、落石に細心の注意をして足早に通過する。
 岩ゴロ道を過ぎた辺りで、左側の谷を人の胴体ぐらいの落石が物凄い音をして落ちてきた。10mぐらいのジャンプを左右に繰り返し、100mほど私の横で割れて止まった。まともに当たればひとたまりもないところだ。
 昨日・今日と充分景色を楽しんだので、当初予定していた屏風のパノラマコースを変更して横尾経由のピストンで下山することにする。今回はゆったりとした予定を組んでおり、氷壁の宿・徳澤園に泊まる。
 施設・料理・サービスなど私のお気に入りの宿だ。ツァーの客がうるさいのが難ではあるが、個室に入ればあまり気にならない。最後のミーティングをして就寝となる。
9月6日(木)
 今日は上高地まで2時間弱だけなので、8時過ぎに宿を後にする。今朝も雨が降っていたが、我々が出発する頃には止んでいた。ゆっくりと森林浴をしながら上高地をめざす。上高地から乗ったタクシーの運転手の情報では、きのう北穂で滑落事故が発生したとのこと。帰宅後ネットで調べると、7時過ぎ山頂北側とのことで、おそらくキレットでの滑落だと思われる。昨夜同宿した登山者の中におられたのだろうと思われるが、無事であることを祈る。「ひらゆの森」で汗を流し帰路につく。(今村 記)

・日 程=9月3日〜6日
・コース=1日目 上高地(14:00)〜徳沢(15:35)〜横尾山荘(16:35)
     2日目 横尾山荘(6:10)〜本谷橋(7:10)〜涸沢(9:15〜9:35)〜北穂高岳(13:25〜13:40)〜
         北穂高小屋(13:45)
     3日目 北穂高小屋(6:10)〜難所(7:30)〜涸沢小屋(9:10〜9:45)〜本谷橋(11:25〜11:55)〜
         横尾(12:50〜13:15)〜徳澤園(14:20)
     4日目 徳澤園(8:15)〜明神(9:00)〜上高地(9:50)
・リーダー=今村 克美
・参加者=6名
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