南アルプス「甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳」
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駒津尾根から仙丈ヶ岳
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左=甲斐駒ヶ岳山頂を見上げる  右=甲斐駒ヶ岳山頂にて
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北岳を望む
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左=太平山荘全景  右=仙丈ヶ岳山頂
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左=山荘前で  右=藪沢より鋸岳の稜線を望む
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 今年の夏山は、南アルプス北部の甲斐駒ヶ岳・仙丈ケ岳を2泊3日の行程で13名が挑んだ。
 初日は、北沢峠までの移動だけである。京都からのアクセスは、新幹線で名古屋へ。中央本線に乗換え塩尻へ。そして、ローカルで岡谷に。さらに飯田線にて伊那北駅で下車。JRバスで高遠経由戸台に入れるが、バスの本数が少ないので我々は少し割高となるがジャンボと普通タクシーを利用して「南アルプス林道バス」仙流荘バス停に着く。車山行者達もここまでで、広大な無料駐車場があるのだ。駐車の台数も少なく入山者も少ないようだ。専用バスは20人乗りのマイクロバスで、客に合わせて増便している。我々の宿泊は北沢峠下の林道脇にある大平山荘(連泊)なので、運転手兼ガイドさんに言えば降ろしてくれる。15時着。だだし、ここからは乗車できないようだ。山荘は100名の収容できるが、本日はツアー客をいれて30名なので広々使わさせてくれる。だが、明日は地獄になるらしい。夕食は16:30、19:00消灯。トイレは外にあって培養式だ。夕食メニューはバランスが良い。日が暮れると寝るしかない。

 2日目
 3:30には皆が起き出し、出発準備をしている。連泊なので、余分な荷物は置いていけるのは助かる。ツアー客も甲斐駒ヶ岳をめざすようで先行していった。朝食は山荘で調達の弁当だ。いったん北沢峠に出て、林道を広河原方面に5分辿れば仙水峠への標識から左に伸びる林道に入る。キャンプ場から北沢駒仙小屋前を抜け、北沢の沢道を詰めて行き、沢から登り道をとれば仙水小屋とテント場に出る。緩やかな樹林帯を辿って、開けた岩ガレに出れば峠は近い。早川尾根と駒津峰尾根の大鞍部からの朝日がまぶしい。背後には仙丈ケ岳が大きい。明日のルートである馬ノ背ヒュッテも見え、下山の尾根も確認できる。仙水峠から見る摩利支天峰と甲斐駒ヶ岳が、白っぽい岩肌で大きくそびえているのは圧巻である。東には雲海の上に秩父山系がシルエットで浮かび、右手に鳳凰三山の地蔵岳のオベリスクもくっきりと確認できた。朝食を済ませ、核心に迫る駒津峰の急登が始まる。甲斐駒・摩利支天を見やりながら、背後の北岳・鳳凰三山・仙丈を目に焼き付け急登をこなし、駒津峰に着けば甲斐駒ヶ岳山頂に向け多くの人が見える。仙丈ヶ岳・北岳方面に雲がかかり始めている。六方石までの岩道をクリアして迂回路を摩利支天側にとり、険しいザレ道をジグザグで山頂をめざす。下山者と道の譲り合いで、意外と時を費やす。念願の石の祠がある山頂に到着だ。残念なことに雲が出て遠望がきかない。粘ったが、風が吹かず好転してくれない。山頂は人が増えて、押し出されように下山する。駒津峰から双児山経由の下山ルートを予定したが、ほとんどの人がこのコースなので、混雑を避けるため仙水峠経由とした。無人の峠から仙水小屋に向かう。雲が低くなってきた。キャンプ場前は所狭しのにテントが張られている。北沢峠より大平山荘へ。山荘手前で雨が降り出す。山荘前は大勢の人で賑わい、軒下に雨具が所狭しと干されている。仙丈ヶ岳に向かった連中は、断続的な雨に遭ったようだ。
 昨日と比し、トイレに並ぶ列が長くなっている。寝床も1/3の狭さだ。夜中、雨だれの音で目が覚める。止むことを祈るのみだ。
コースタイム
 山荘(4:50)〜北沢峠(5:02)〜仙水小屋(5:55)〜仙水峠(6:20〜6:30)〜駒津峰(8:30〜8:35)〜
 六方石(9:15〜9:25)〜甲斐駒ヶ岳(10:25〜11:00)〜駒津峰(12:30〜12:35)〜仙水峠(13:50)〜
 北沢峠(15:10)〜大平山荘(15:20)

 3日目
 早い人で3時前から起き出す。荷物を置けないので、荷が重くとも仙丈ヶ岳に担ぎあげる。雨は止み、星空を見て山荘横から樹林帯に取り付く。真っ暗闇でヘッドランプの列が続く。夜が白み始めるころ、背後にシルエットの甲斐駒ヶ岳と鋸岳が姿を見せる。お天気は良さそうだ。藪沢の河原に降り、雪渓が少し残っている沢道を詰めて行く。花も多く、目を楽しませてくれる。沢の水嵩が減るころ、五合目と馬ノ背ヒュッテの分岐から10分ほどでヒュッテに着く。朝食タイム。ここで仙丈ヶ岳アタック隊とトレッキング隊に分かれることになった。落ち合う場所は藪沢大滝ノ頭、五合目とする。アタック隊7名は、帰路のバス時間を気にしながら先発する。樹林帯から低木帯を抜けハイマツ帯にかかり、カール状の所で仙丈小屋に着く。山頂が目の前に見え、稜線と山頂に人が林立しているのが手に取るようで心がはやる。山頂は360度の展望が待っていた。甲斐駒・鋸・鳳凰・白峰、遠くに塩見が見えるパノラマである。ただ、北岳の左肩に富士山が見えるのだが、けっきょく姿を表わさなかった。風もなく爽やかで、景色をまぶたに焼きつける。どんどん人が登ってくる。小仙丈ヶ岳経由の尾根下りルートで、真正面に甲斐駒ヶ岳を見ての急な下りを五合目の大滝ノ頭に向かう。
 一方のトレッキング隊は、いったん藪沢の五合目出合に下り、沢を渡って山腹道に取り付く。ほとんどアップダウンのない巻き道だ。しばらくして藪沢小屋前に出る。この小屋は素泊りだけのようで、係りの人が屋根に布団干し作業している。小沢を多く渡り、雨が降れば歩き難いだろう。北の景色がよく、甲斐駒・鋸岳、さらに遥か遠くに北アルプスの峰が望める。絶えず日陰で、気持ちよい迂回路だ。大滝ノ頭で仙丈組と合流し、北沢峠に下る。早い目に到着したが、バス停は人が列を成している。人数が集まり次第、バスを増発して戸台へ運んでいるのだ。我々も流れに乗り、仙流荘に運ばれた。無料駐車場は満杯状態で、人出は半端じゃない。仙流荘で汗を流し食事を摂り、予約のタクシーで伊那北へ。お蔭で予定より1時間早く帰還できた。
 3日間とも午後は愚図ついた天気だったが、雨具は一度も使わずに終わった。
コースタイム
 山荘(3:45)〜藪沢五合目出合(6:20)〜馬ノ背ヒュッテ(6:30〜6:50)〜仙丈小屋(7:30〜7:35)〜
 仙丈ヶ岳(8:08〜8:25)〜小仙丈ヶ岳(9:07〜9:17)〜藪沢大滝ノ頭五合目(9:50〜9:55)〜北沢峠(11:10)
                                                         (北川 記)

・日 程=8月5日〜7日
・リーダー=北川嘉康/サブリーダー=加来繁幸
・参加者=13名
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