奥秩父「瑞牆山・金峰山」
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左=富士見平で小休止  右=瑞牆山山頂にて
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金峰山へ向かう稜線の岩場
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左=五丈石と富士山  右=八ヶ岳と瑞牆山
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金峰山山頂.
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秀麗な山容を見せる富士山.
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 今年は平年より10日以上早く梅雨入りし、台風2号の影響もあり、連日雨が降り続いた。今回の例会も梅雨まっ只中での山行となる。しかしながら当日の天気は晴天の予報であり、雨が降らないように祈りながらの出発となる。

6月2日(木)雨
 どんよりとした雲が広がりうっとうしい天気ではあるが、参加者全員元気に出発する。京都東ICから名神に入ろうとするが、すでに入口から渋滞が始まる。名神リフレッシュ工事が始まったせいでゲートまでが一苦労だ。何とか本線に出ても数珠つながりで、瀬田西までノロノロ運転が続く。
 その後、ところどころで渋滞に巻き込まれながら中央道を進む。この頃から雨が激しくなり、須玉ICを出て、今日の宿泊地である瑞牆山荘に着くまで雨が降り続いた。明日の天気を心配しながら宿へと入る。
・コース=川端五条(8:30)→瑞牆山荘(15:00)

6月3日(金)晴れときどき曇り
 昨日と打って変わって爽やかな青空が広がる。装備を整え、山荘前の登山口から歩き出す。ミズナラやシラカバの新緑の中を緩やかに登り始める。新緑の中にミツバツツジのピンクが印象的だ。登山道は傾斜を増して途中の林道を横切り、里宮坂の急登にかかる。
 やがて、瑞牆山の奇峰が天鳥川を隔てて樹林越に見えてくる。右折してしばらく進むと富士見平に着く。小屋は閉まっており、テント場には一張りのテントが張られていた。
 小屋の左から緩やかに登り、しばらく平坦な道を進み、一気に急坂を下り、天鳥川を渡る。雨で水かさが増しているが難なく渡る。渡ると広場になっており、休憩するのによい所だ。目の前には大きな桃太郎岩がある。縦に亀裂が入った岩を桃に見立てたのだろう。
 岩の右側に設置された木の階段を登り、沢沿いの登りとなる。深い樹林帯の中をジグザグな急登が続く。この頃からシャクナゲが目についてくる。今年は不作の年なのか、木は多いが花は少なく、まだ蕾が多いように思われる。
 しばらく行くと急に周囲が明るくなり、左に大きな大ヤスリ岩が仰ぎ見られる。遠くからでも特徴があり、よく目立つ岩である。登りきると黒森との分岐で標識がある。北側に回り込むようにしてシャクナゲの茂る道を進み、岩場を5分ほど急登すると、花崗岩の一枚岩が広がる明るい瑞牆山山頂に到着する。先着の登山者は2〜3名のみで、富士山を始め、雄大な景色をたっぷりと楽しむことができた。
 この瑞牆山を、麓の村では以前に瘤岩(こぶいわ)と呼んでいたらしい。また、明治時代の山梨県知事が名づけたとの説もあるとのこと。
 雨上がりでもあり、岩や木が滑りやすく、下りは緊張する。それでも下りのテンポは順調で、初めての休憩は天鳥川の広場でとる。川の冷気で涼しく、一度に汗が引いてくる。天鳥川からの登り返しを何とかがんばり、富士見平に帰り着く。小屋主夫婦が重たそうな荷物を担いで登ってくるのが見えた。土・日曜のための荷物であろうか。
 我々はここで行動食を食べ、昼を済ませて金峰山へと向かう。
 山小屋とトイレの間を緩やかに登って行く。右手にカラマツ林を見ながら標高を上げていく。登山道は少しずつ角度を増し、平らな石が一面に敷かれて少々歩きにくくはあるが、雨の日には助かる。
 飯森山の南面を巻いて登ると、苔むした原生林に変わり、木の根や石がゴツゴツした平坦な道となる。やがて下りとなり、樹林を抜けると大日小屋に着く。登山道付近は広々としており、シラカバ林が美しい。
 大日小屋からは、縦八丁といわれる急坂が大日岩まで続いていく。この辺りでもシャクナゲが群生しているが、花はおろか蕾もついていない。10年前に来たときは全体にシャクナゲが綺麗であったように思うが。
 次第に岩場が多くなり、しばらく行くと大日岩基部に着く。少し右へ回り込み、登りきると八丁平の分岐に出る。ここからはシラビソ林の平坦な道が続き、最後に急登すると、突然視界が開ける。砂払いの頭と道標に記されている。いよいよ岩場の稜線歩きとなる。特徴のある五丈石方面を見ると、岩稜と北斜面を覆うハイマツのコントラストが美しい。
 ここからは、ヤセ尾根・岩場の連続なので、緊張が続きそうである。岩稜の山梨県側は概ねガレており、長野県側はハイマツに彩られている。千代の吹き上げと呼ばれる断崖絶壁の縁を通る時、岩の間から下を覗くと、何と下方数百メートルもまっすぐに切れ落ちており、足がすくむ思いがした。
 目標物である五丈石がなかなか近づいてこない。大きくて歩きにくい岩を慎重に時間をかけて歩くので、この稜線での時間が一番長く感じられる。左手に金峰山小屋の近道を分け、山頂へはさらに岩場の急登が待っている。やっとのことで五丈石前の広場に到着する。ここでも先着登山者は2〜3名であった。このシーズンの平日では登山者が少ないのは当然であろうか。
 さらに上へと登り、金峰山山頂にある三角点にタッチする。奈良・吉野山の金峰山から蔵王権現を合祀したことが山名の由来であるとのこと。五丈石前は奥宮のあったところで、籠堂があり、その正面の厨子には蔵王権現の像が安置してあったそうであるが、今はない。
 山頂からは360度の展望が得られる。雪化粧した富士山、南アルプス、中央アルプス、北アルプスや八ヶ岳、北信の山々が雪を残してきれいな姿を見せてくれる。展望を堪能し、山頂直下200mにある金峰山小屋へと向かう。小屋は若夫婦が管理しており、小屋の名物犬「ゆずひこ」も我々を歓迎してくれた。大型犬でありながらおとなしく、人懐っこくて可愛い犬だ。綺麗な夕景を楽しみ、ほろ酔い加減で布団に潜り込む。
・コース=瑞牆山荘(6:40)〜富士見平(7:30)〜桃太郎岩(8:00)〜瑞牆山(9:25〜10:00)〜桃太郎岩(11:10)〜
     富士見平(11:45〜12:05)〜大日小屋(13:00)〜砂払いの頭(14:55)〜金峰山(16:00〜16:15)〜
     金峰山小屋(16:30)

6月4日(土)晴れ
 今朝は昨日にも増して天気がよく、ほとんど快晴となった。雲海に浮かぶ山々をカメラに納め、気持ちよく小屋を出発する。もちろん「ゆずひこ」君が見送ってくれた。
 ピークへは登らず、平坦な道を分岐へと歩く。ここからは昨日登ってきた道だ。今日は目の前に広がる景色を楽しみながらの下山となる。雪をまとった富士山が堂々とした姿を見せてくれる。砂払いの頭で稜線とも分かれ、うっそうとした樹林帯の中を下る。この辺りから登山者と頻繁に出会う。昨日は登山道で人と離合することはほとんどなかったが、今日は晴天で土曜日のせいか、20〜30人の団体をはじめ次々と登山者と挨拶を交わさなければならない。
 昨日の辛さがウソのように快調に下る。大日岩で小休止し、富士見平まで一気に下る。ここでもびっくり。登山者で溢れかえっている。日曜日の愛宕山よりはるかに多い数だ。どこかの遊園地に来たような錯覚を覚える。山ボーイ、山ガール、親子連れ、外国人など、夏山シーズンの上高地のようだ。
 富士見平から下りる道でもゾロゾロと登ってくる。下山者は我々以外いないように思える。登山道がいくつもあるのはこのせいではないだろうか。ツツジと新緑に染まる登山口に着いた時にはさらに驚かされた。付近には、バスと自家用車が道に溢れかえっている。おまけにタクシーが次から次へと登山者を運んでくる。
 きのう我々が車を停めたときは僅か3台しか見かけなかったが、大変な混雑ぶりだ。我々は早々に出発して増富温泉で汗を流す。
 高速道路の料金が、二週間後には土・休日料金の1,050円が廃止になるとのことで渋滞を予想していたが、スムーズに京都へ帰り着くことができた。
・コース=金峰山小屋(6:10)〜砂払いの頭(6:50)〜大日小屋(8:05)〜富士見平(8:50〜9:05)〜瑞牆山荘(9:35)→
     増富温泉(10:00〜12:30)→京都東IC(17:00)(今村 記)

・日 程=6月2日〜4日
・リーダー=今村克美/サブリーダー=加来繁幸
・参加者=10名
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